どこにいても・・・



烝がお医者様の見習いになると言ってから2週間。

今まで毎日屯所にいた烝は今では週に2,3回しか帰ってこない・・・。

毎日逢っていたのに今は週2,3回しか会えないのは正直寂しい・・・。

屯所に帰ってきてもいつも鉄とどっか行っちゃってあんまり話せないし・・・。

でもこんな泣き言は烝には言えない・・・。

烝はお医者様になって皆を助けるんだしね・・・。

今日は烝が帰ってくる日・・・。

今日も烝は鉄とどっか行っちゃうのかな?


「お〜い、烝!!」


外から聞こえてくる鉄の声。

烝って・・・もう帰ってきたのかな。

障子を開けてみるとすこし離れたところでお帰り〜と言いながら烝に飛びつく鉄の姿が見えた。

あたしが一番にお帰りって言いたかったんだけどなぁ・・・・。


「ちぇっ・・・」


そんなあたしの声が聞こえたのかどうかはわからないけど、烝があたしに気づき笑いかけてきた。


「おい、。お帰りもなしか?」


「ふぇ?」


烝があたしに気づいて話しかけてきた後すぐに鉄はどっかに行ってしまった。


「何そんなに驚いてるんや?今帰ったで」


烝にそう言われた途端すごく泣きたくなって・・・我慢できなくて・・・。

あたしは裸足のまま烝のところに走って行き抱きついた。


「お・・・帰り・・な・・・さ・・い」


涙が零れてきた・・・。

本当は泣いたらいけないのに・・・。


「なっ、なんで泣いてんのや?」


あたしは首を横に振ることしかできなかった・・・


「どっか痛いとこでもあるんか?」


「な・・い・・・」


嘘・・・本当は胸が痛かった・・・

逢えなかったときの寂しさと逢えたときのうれしさ・・・

烝の声を聞いたら全部頭の中でグルグルになっちゃって・・・

話たいことたくさんあるのに話せなくなった。


「どうしたんや?何かあったか?」


「さ・・みし・・・かった・・・」


本当は言ってはいけないこの言葉・・・

あたしは烝に好きとは言われていない・・・

だから言ってはいけない・・・けど・・我慢できなかった

今まで毎日逢ってたから余計に寂しかった


「ごめんな・・・。でも俺人を救いたいんや。姉上みたいに死なせたくないんや」


「・・うん・・・わかってる」


わかってる。烝がそう思っていること。

けど・・・どうしてもすごく寂しくて・・・

この思いは胸にしまっていなきゃいけなかったのに・・・


?ごめんな・・・」


あたしが寂しいって言ったせいで烝を謝まらせてる・・・

だめだな・・・あたし・・・好きな人に謝らせるなんて・・・


「嘘だよ☆全然寂しくなんてないvv鉄とは仲良くやってるし皆仲良くしてくれるしvv」


あたしはグイっと烝を押すと思いっきり笑った


「ってあたし裸足だし、寝巻きじゃん!!やだなぁ〜、もう。恥ずかし。あたし着替えてくるね!!」


!!!!」


部屋に戻ろうとしたら急に烝に名前呼ばれて後ろから抱きしめられた


「す・・すむ?」


いきなりのことであたしは驚いた。

今まであたしから抱きしめることはあっても烝から抱きしめられることはなかった


「無理に笑うな・・・。そっちのがつらいわ・・・アホ」


せっかく頑張って止めたのに・・・もう止めることはできなかった・・・

とびっきりの笑顔にしたのにどうして烝には見破られちゃうのかな・・・


「す・・すむの・・ば・・か・・・とま・・ん・・なく・・なっちゃ・・うよ」


烝は一旦腕を解くとあたしをぐるっと回転させ烝の胸にあたしの頭を押し付けるように抱きしめた


「泣きたいだけ泣け。今日はずっと傍におるから・・・」


「そ・・う・・言って・・鉄のところに・・いっ・・ちゃう・・くせに・・」


いつも烝が帰ってくると鉄にとられてどっか行ってしまう・・・

だから全然話せなくて余計に寂しくなる・・・


「今日は行かん。ずっとの傍におる」


「ほ・・ん・・とう?」


「あぁ。・・よっと」


「キャッ////」


烝は急にあたしを抱き上げ部屋へと向かって行った


、おまえまた痩せたんやないか?飯ちゃんと食ってるか?」


「た・・・食べてるよ///てか、烝下ろしてよ////」


「ダメや。裸足で外にでてくるから足怪我してるやん」


今まで気づいてなかったけど足からは血がでていた


「ほんとだ・・・」


「自分の足なのに今まで気づいてなかったんか?はぁ〜たく、だからのことほっとけないんや」


烝はあたしを縁側に座らせると歩いてどこかに行こうとした


「やだ!!!行かないで!!!」


あたしはとっさに烝の着物を掴んでいた


?布水に濡らしに行くだけやで?」


「や・・だぁ・・・行か・・ない・・・で」


、すぐ戻ってくるから・・・」


烝はあたしの顔を覗きながら言った。

でも、あたしはやだやだとずっと言ってた・・・

布を濡らしに行ったときに鉄に逢ったらそのままどっか行っちゃいそうで怖かった・・・


?大丈夫や。一人になんてしないから。ここにおるから」


なんで烝はあたしが考えてることすぐにわかっちゃうんだろう・・・

不思議だな・・・


「手・・当てな・・んてい・・・いか・・ら一緒にいて・・・」


少しでも長く一緒にいたかった・・・


「あぁ、わかった」


「お〜い、烝!!!!」


遠くのほうから鉄の声が聞こえてきた・・・

また烝のこと取られちゃう・・・


、部屋の中はいるで?」


「えっ?」


烝はまたあたしのことを抱き上げるとあたしの部屋の中に入っていった


「こうすれば市村も気づかないやろ?」


「本当にいいの?」


「何がや?」


「今日鉄と一緒にいなくて・・・」


烝は別にあたしのこと好きなわけじゃない。

だから重荷になりたくない・・・


「今日は一緒にいるって言うたやろ?」


「でも・・・」


「しっ!!ちょぉ黙り?」


「あっれぇ〜烝のやつどこ行ったんだぁ?せっかく佐之や沖田さんに帰ってきたの知らせてきたのによぉ〜」


すぐ近くで鉄の声が聞こえる。

ごめんね?鉄。今日だけは烝と一緒にいさせて?


「行ったか・・・」


「なんか鉄に悪いことしちゃったかな・・・」


「なんや?は俺と一緒にいたくないんか?」


「違っ・・・そういうことじゃないよ・・・。一緒にいれてうれしいし・・・」


・・・」


「ん?」


呼ばれて振り向くと烝がキスをしてきた


「・・・ん・・」


すごく深いキス。烝は抱きしめながらそっとあたしを布団の上に押し倒した


「ん・・・は・・ぁ・・・。す・・すむ?」


すごく切なそうな目で見てくる・・・。

なんでそんな顔してるの?


「好きや・・・」


「えっ?」


一瞬自分の耳を疑った。

烝が好き?あたしのことが?


「俺・・・のことが好きや・・・」


「ほ・・ん・・とう?」


「な、なんでまた泣くねん」


うれしかった・・・。まさか烝があたしと同じ気持ちだなんて思わなかった


「だって・・・嬉しいんだもん」


「俺はずっと好きやったで?」


「あたしだってずっと好きだったもん!!!!」


本当にずっと好きだった。烝が忍だったころから・・・


「そうか・・・。てかな、何でまだ布団ひいてあるんや?俺にとっては好都合なんやけど。、寝巻きやし」


「えっ?あぁ・・・今朝朝方まで起きてたからさ」


「なんや?夜遊びか?」


「違うよ!!!・・・勉強してたの!!!」


「勉強?なんのや?」


「・・・お医者様の


そう。あたしは最近ずっとお医者様の勉強をしてる。

烝の・・・助手になるために・・・


「えっ?」


「烝の・・・お手伝いができたらなって///」


・・・」


烝はあたしを抱きしめまたキスしてきた


「・・ん・・・んん・・・ん・・」


「俺はよ一人前の医者になる・・・。そしたら俺の助手として一緒にいてや・・・」


「うん。どこまでもついてきます」


「それまで待っててや。どこにいても俺の気持ちは変わらないから・・・。」


「うん。あたしもどこにいても烝のことが好き」


「俺も好きや、




どこにいても、この気持ちだけは絶対に変わらない。

絶対に・・・


〜fin〜

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はい、初のピスメドリです。
本当にごめんなさい!!!!
烝の京都弁難しいです(泣)
烝ファンの皆様・・・偽でごめんなさい(泣)


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